目次
はじめに
このサイトで最初に紹介する料理は醤油ラーメンだ。
二郎系ラーメンにしたのはインパクトを重要視したからで、それ以外に深い理由はない。
二郎系ラーメンとはなにか、ということまでをここで論じる気はないので、さっさと本題、レシピ(作り方)に進もう。
乳化率高め、ということで煮込み時間は長め(最低でも8時間くらい)だ。
スープの材料(約2人前)
・げんこつ2本(ハーフカット×4)
・にんにくスライス 4分の1~半玉(丸1個の4分の1~半分。好みによって加減) 皮を向いて底の硬い部分は切って取り除く。
・しょうがスライス 1ミリ幅程度のスライス(大きさは直径数センチ程度)×4枚前後(こちらも好みによって加減)
・浄水(硬水) 6リットル以上(本煮込みに必要な分のみ表示。蒸発しすぎたら、その都度継ぎ足す)
臭み消し用の香味野菜(こうみやさい、玉ねぎ、にんじん、長ネギの青い部分など)を(もっと)入れるとより万人受けしやすくなるが、今回は豚骨の出汁に重きを置きたかったので香味野菜はにんにくとしょうがのみをチョイスした。
豚骨(げんこつ)のうまみがしっかりと出たスープになることだろう。
スープの作り方1(血抜き、アク抜き)
げんこつ(凍ったままでも良い)を浄水、数リットル(鍋)の中に入れ、一晩程度漬け込んで血抜きをする(スキップ可。また、浄水は30℃~40℃程度のぬるま湯にしても良い)。
できれば水は何回か取り替える(時間などに余裕がなければ、この工程はスキップしても良い)。
血抜き前

血抜き後

今回は、水は張り替えず、一晩かけて血抜きした。
解凍されたげんこつを沸騰したお湯(できれば硬水を使用する)で下茹で(中~強火くらい)する。ここは非常に重要な工程なので忘れないように!
30分前後下茹でし、アクが出てきたらその都度取り除く。アクが出てこなくなったらOK。この程度でげんこつの旨味は流れ切ったりはしないので、気にせず煮込もう(茹でよう)。
アク抜き後

ちょっとお湯(硬水)をケチったかな?(1リットルくらい使用)
意外と灰汁(あく)は出てこなかった。血抜きを一晩かけてしっかりとやったからなのかもしれない。
ざるなどでお湯を濾(こ)し、げんこつの汚れはしっかりと取り除き、再び鍋に入れる(鍋も洗ったほうがいい)。
スープの作り方(本煮込み)
スープの材料を全て浄水(今回は硬水がメインだったが、一般的なフィルターを通した水道水でも問題ないだろう)の中に入れ、煮込んでいく。
沸騰させて中火前後で8時間煮込む。
煮込み開始

放置工程だが、あまりに置いておくと底が焦げたり、水気がなくなりすぎてまた焦げたり、最悪火事の原因にもなりうるので、自己責任でお願いしたい(自分は5分~15分に1度は確認する。けっこう忙(せわ)しない)。
また、煮込む際に蓋(フタ)はしないほうが良いとされる(臭みを飛ばすため)。
たまに薄く灰汁(あく)が浮かんでくるので、丁寧(ていねい)に取り除いたりもした。
灰汁も含めて旨味だと考える人も居るので、好みによって(ある種神経質に)灰汁を取り除くかは考えものである。
自分はいわゆるライト系でいいので、ちゃんと灰汁は取り除いていく。
今回は硬水(『コントレックス』の超硬水)を5リットルほど使ったが、蒸発してかなり減っていくので、途中から浄水(フィルターを通した水道水)に変えた。
多少ケチかもしれないが、硬水はそもそもアク抜き用の下茹でに使うだけで良かったかもしれない……。
合計の水は8リットルくらいになり、1時間に500cc以上、軽く蒸発していることになるな……。
醤油ダレ(かえし、またはカネシ)の作り方
醤油ダレは3日以上寝かせる(冷蔵庫で保存)しておくと「かど」が取れたまろやかな味わいになる。
今回は汎用的な醤油ダレで、化学調味料(味の素やグルエースなど)は使っていない。
ジャンクな味わいを目指したい方は昆布、かつお節などを使わず、安い醤油と料理酒、みりん風調味料、塩を軽く煮て、例の白い粉(化調)を入れ、切ったしょうがやにんにくを漬け込んでタレを作るといい。
自分は正直、そこまでジャンクすぎるものは好きではないので(せっかくの手作りだし)無化調派である。
分量はやや多め。余ったら次回のラーメンやチャーハンの味付けなどに活用してほしい。
保存期間は冷蔵庫で1ヶ月以内くらいが目安になる(作った日をメモして保存容器に貼るなどしておこう)。
醤油ダレの材料
・水(浄水または軟水) 300cc
・昆布 15グラム前後
・かつお節 10グラム
・昆布を一晩漬け込んでおき、水から沸騰直前まで煮る。その後取り出し、かつお節を入れて2分ほど経ったら取り出して出汁を取る。その後かつお節は濾(こ)すなどして取り出す(このかつお節は絞るとエグみが出るので絞らない)。
・その後調味料を入れて10分弱ほど煮て、アルコール分を飛ばす。
調味料類
・醤油 200cc
・みりん 50cc
・料理酒 150cc
・仕上げに醤油を少し(10ccくらい)垂らす
醤油ダレとスープの配合は、醤油ダレ大さじ3前後、スープは300ccくらいである。
最初に作るときにはタレを少なめに入れて、味を見ながら濃さを調整してほしい。
ここを失敗すると非常に痛い。
麺について
今回は市販の太麺(極太麺)を使用した。
できれば自家製麺をしたいのだが、実家暮らしのため製麺機の置き場もあまりないし、整備も面倒そうなので市販品である。
うどんかそばくらいなら手打ちしたことがあり、特にうどんはちゃんと実用に耐え得るものが作れている。
自家製麺のうどん麺なら比較的細くもできるので、それを使うのも一つの手である(紹介は今度で)。
スープの完成後、規定時間を浄水(軟水)のお湯で茹でればそれで完成だ(言うまでもないけれど)。
麺の画像(今回使用したもの)

チャーシューの作り方1(煮込み)
チャーシューは豚バラブロック、または豚肩ロースをそれぞれ約400~500グラム程度使用する(2種類使うのは食べ比べをしたいためなので、通常はどちらかで良い。たこ糸で巻いたりはしない)。
肩ロースの方が上質なイメージだが、まあ、完全に好みで良いだろう。脂身が嫌いな方などは特に肩ロースをおすすめしておく。
王道のレシピとしては、表面を焼き固め(あるいは沸騰したお湯に数十秒以上放り込んでおく)、さらにお湯を変え、料理酒数十ccや臭み消し用の野菜(にんにく、しょうが、長ネギの青い部分)と共に茹で、その後チャーシュー用のタレに漬け込むというものだが、今回はせっかくラーメンスープも作るので、その中で煮込んでとろとろのチャーシューにしようじゃないか。
食べ比べをしたいので、今回は豚バラ、肩ロース2種を約900グラム投入することにした。
豚肉は下焼き、下茹でなしで、一切の味付けをしないで煮込みかけのスープの中に放り込む。
完全に火を通したければ40分以上は煮るべきだが、さらに肉をとろとろにしたいので、今回は2時間ほどスープと共に煮ることにした(業務用のロール肉などの場合は3時間煮込むといいはずだ)。
これだけ煮れば、食中毒の心配もないだろう。
煮るタイミングだが、げんこつを5時間以上煮込んだ、白濁したスープの中に入れる。


肉の写真の手前が豚肩ロースブロック、奥が豚バラブロックになる。
スープに肉の旨味を、肉にスープの旨味を、という風にしたいので、煮込みの終わり際を狙うのである。
あまり煮込みの終盤になるとスープが濃くなりすぎて(乳化してくる)焦げ付く、という別の心配もあるのでその辺を気をつけて煮込んでほしい。
小さいブロックの方の肩ロース肉は、煮込みから1時間半目で取り出した。
やや表面がボロくなってしまったためだ。1時間少し過ぎくらいで取り出しても良かったかな?
豚バラ(ブロック)もかなり脆(もろ)くなってきたので1時間45分目で引き上げ、タレに漬け込む。
チャーシュの作り方2(漬けダレ)
チャーシュー用の肉を煮込み終わったあとは丁寧に取り出し、専用のタレに漬け込む。
醤油ダレ(かえし)に肉を漬け込むよりも、専用の漬けだれを作ったほうが美味しいというのが持論である(多少、ものにもよるが。その辺は臨機応変に対応したい)。
このレシピに関しては「主婦A子のレシピ」というサイト様を参考にさせていただいた。
・醤油・料理酒 各100cc
・砂糖 大さじ1~2(好みで調整可)
・塩 小さじ1
これを軽く(小鍋などで)煮て、アルコール分を沸騰・蒸発させれば完成である。
たれの中に潰したにんにくやにんにくパウダー(市販品)を入れても美味しいと思う。
砂糖の代わりにはちみつを使っても良いが、焦がさないように最後に入れるなどしたほうが良いだろう。
煮ないレシピもあり、こちらは醤油、にんにく(すりおろしたものか、パウダー)、はちみつ適量をよく混ぜるだけである。
要は、美味しければ良いのだ。
(トッピング用の)背脂
分量などは以下の通り。
・背脂(200グラム。背脂好きなら倍量でも。ただし死なない程度に)
作り方はスープの鍋とは別鍋で3時間(または、それ以上柔らかくなるまで)ほど弱火で煮て、網などで濾(こ)して細かくする。
お湯に、にんにくや創味シャンタンDXなどを適量入れるとにんにく・中華の味や風味が出るので、試してみても良いだろう。
また、別鍋で煮ると光熱費がもったいないという方も居るだろうし、途中まではスープで煮込み、2時間~2時間半ほど経過したら別鍋で煮込んで完全に柔らかくするというやり方もアリだろう。

盛り付け用野菜
お好みで良いが、ざく切りにしたキャベツにもやし(どちらも茹でる)が定番だろう。
刻みにんにくも入れるとそれらしくなる(翌日に外出がある場合は控えるのは当然? まあ、条件とお好みで!)
こんなところである。
以下、盛り付け画像。
画像(家二郎)

チャーシューは手前2枚が肩ロース、奥の2枚が豚バラブロックになる。
こう見ると、けっこう背脂多めだな。
味の感想など
チャーシュー、特に肩ロース肉は煮込みすぎて若干出しガラ感があったので、今度作るときは煮込み時間に気をつけたい。
醤油味のキレとにんにくがピリッときいた、まとめると、ガツンとした二郎系(風)ラーメン(家二郎)になってくれたと思う。
げんこつ1本分で1人前、とは覚えておきたい。
4~6人前くらいの気分で作っていたので、正直(分量の少なさに)驚いた。
鍋に入れた時点でなんとなく少ない気はしていたので、少しでも気になったら自分の勘と相談することにしよう。
他のサイトなどのレシピではげんこつ1~2本で4人前などと書かれていたので、煮込み時間を長くしたり、圧力鍋を使うなどで対応はできそうである。
ごちそうさまでした。
スープ画像(だいぶ少なくなった)
